こんにちは還暦過ぎラッパのきのじーです。
20年前に現役を退き、トランペットを触るのも8年ぶりというこの頃です。
前回のトランペットの練習方法|何が大事?「エアー・タンギング」に引き続き、今回はトランペット奏法のキモである「腹(腹式)と息」=『ブレスコントール』の重要性と取り組み方について話します。私の経験値ながら、独断と偏見も含め解説・紹介したいと思います。
前回の記事はこちら↓
この記事を読んでいるトランぺッターのあなたが「実践で吹く上で最も必要なテクニックとして、いかにブレスコントールが大事であるか」などに興味があれば、なんらかの参考になるかも知れません。
今回の記事内容
- トランペット奏法を支える腹(腹式)とは?
- 腹式呼吸の考え方と実践方法
- トランペットを吹く為の腹式|簡単な実践方法
✅この記事の信頼性
プロフィールにもある通り、自衛隊音楽隊を退職後は、テレビ歌番ビッグバンドやタレントバックのサポート、テーマパークなどで吹いていました。私は自身の奏法上の大きな課題として、タンギングをすることにより、アンブシャがズレる問題点を抱えています。
厄介なことに、1度染みついた悪い癖(鳴り方)というのは簡単にはなおりません💦。
また、知っておくべき最優先事項としてリップスラーやタンギングなど、小手先だけのテクニック(言葉に語弊があるかも知れませんが)に、とらわれる前に大切なことは腹(腹式)であり、息の流れ(ブレスコントール)であるということです。
✔具体的には、トランペットを演奏するには、PP(ピアニシモ)でも音がちゃんと響いて鳴る、細かい唇の振動が大切となります。しかし、その実践の為にはそれを安定して支え続ける腹(腹式)や息の流れ(使い方)が出来てることが大前提ということです。
この記事を読み終えると、本番の現場・ステージでトランペットを上手に演奏するためには、アンブシャやテクニック以前に「腹と息」のコントールが如何に大切なのか、その理解を深めることができるでしょう。
それでは、最後まで、じっくりとおつきあいください。
もくじ
トランペット奏法を支える腹(腹式)とは?
トランペットは口先だけで吹くものではありません。
トランペット奏法を支える腹(腹式)、ブレスコントールはアンブシャより注力すべき最重要なポイントです。
唇の振動をマウスピースで受けて楽器本体で増幅させ音を奏でるのが、楽器としての音の仕組みとなります。
ですが、その振動を安定した音でずっと吹き鳴らし続けるためには、息を安定して供給し続けなければなりません。
トランペットは、大きな音や小さな音、豊かな中低音から、華やかで鋭い高い音まで表現されます。
そのためには、力強く容量の大きいポンプで常に息を楽器に排出し続けなければならない。
シーンに応じて、太く暖かなエアーや細くスピードのあるエアーを使い分けて送らなければなりません。
つまり、腹がしっかりとできていて息を常にコントロールしてゆく必要があります。その腹がトランぺッターには必要ですし、管理してゆく技として「腹式呼吸」を使います。
なので、まずは「力強く容量の大きいポンプ」を作らねばなりません。
どうすれば良いのか話を進めます。
腹式呼吸の考え方と実践方法
トランペットを吹くための腹式呼吸の考え方として「力強く容量の大きいポンプ」をつくり実践する、というものがあります。
腹式呼吸はヨガなどのトレーニングや、空手などの格闘技でもよく言われますよね。トランペットを安定して吹くための奏法にも不可欠な呼吸法が「腹式呼吸」です。
この、「腹式呼吸」とは①奏法的な問題と②精神的な課題、この2つに関わる重要なツールともなります。(後で順番に説明します)
腹式呼吸自体は、いろんなメソッドがあり複雑でとても深い世界があります。その分誤解も生じやすいジャンルなので、ここではトランペットの初心・中級者が理解しやすいよう簡単に説明します。
トランペットの呼吸法においてよく言われるのが「腹の下の方まで(へその下)腹式呼吸を使って息をたっぷりと吸い込め!」
と、表現されることがあります。
これ漠然とし過ぎて、よくわからない方もいるのではないでしょうか?
実はわかりやすく教えるためにこのような表現になっています。間違ってはいないのですが誤解も生じやすいフレーズとも思います。
腹で呼吸はできない
人は、腹で呼吸はできません。ほ乳類や爬虫類などの陸上生物は全て肺呼吸です。
なのに、トランペット吹く人は腹に息を入れろ。。??
ココがまず疑問点かも知れないですね。
しかも、
・出来る限りの息を肺だけでなく、腹の下まで臓物全てにいきわたるように
・へそに下に力を入れましょう
・ケツの穴を締めて
・背筋を伸ばし良い姿勢で
・肩の力は抜いてリラックス
・つま先立ちをするように
・前傾姿勢で
・ノーズブレス(鼻で吸う)を心掛けて
~~
などなど、…
こんないろいろ言われた日には、困惑してしまい何をどうしたら良いのかもわからなくなってしまいます 😯
要は、何をどうしたいのかです。
息は吸えば肺にたまります。トランペットの音を出すためには、更にポンプをセッティングする必要があります。
大きな音や小さな音、豊かな中低音から、華やかで鋭い高い音まで安定して息を供給するための支えがポンプです。
息の溜まった肺を下から支えるには、へその下(下っ腹)に力が入り多少出っ張る感じでしょうか。
このセッティングのために、上記のようにいろいろとポイントがあり混乱してしまう。。
トランペットを吹く腹式の簡単な実践方法
トランペットを吹く腹式の簡単な実践方法をシンプルに考えてみましょう。
初心・中級者の方は悩まなくてもOK!
上記でごちゃごちゃ並べたポイントの3つ目「ケツの穴を締めて」のみ注力すれば大丈夫です。
・腹の下まで息がいきわたるように感じます
・へそに下に自然と力が入り肺を支えます
・肛門を締めると肩の力は抜けてきます(あら不思議!?)
・自然と背筋が伸び良い姿勢になっています
・自然とつま先に支柱が移り前傾姿勢っぽくなる(=息を楽器に送りやすい体制)
このように、肛門を意識して締めることだけに特化すれば、全ての問題点が解決しシンプルです。
①トランペットを構え音を出す直前に肛門をキュッと締める
②息を素早くたくさん一気に吸う(鼻から)
①②は、ほぼ同時か逆でもかまいませんが比較的スピーディな動作になります。(と言うより、スピーディな動作を要求されますよね)
★肛門が締まって下腹がどっしりと安定すれば、肩に力が入っている、音がヒョロヒョロと不安定、音が震えるなどの問題点は解決していくでしょう。
まとめ:腹式呼吸ができていれば精神面もコントロールしやすい
本番でトランペットを吹くことは何かと緊張しますよね。とくにソロとかは、計り知れないプレッシャーがかかります。
緊張すると、横隔膜も浮いてきて肺に息が入らなくなってきます。か細く浅い呼吸になり、アップアップの溺れてるような状態に陥ります。
腹式呼吸ができていれば、肺に充分な酸素も行き届き腹もすわることから、そのようなパニックを避けることもできます。
とは言え、緊張感を払拭しトランペットを堂々と朗々と吹くのは、そう簡単な話ではありません。用意周到にトレーニングを積み重ね、場数を踏み、慣れていくしかありません。
これまで、初級・中級者のトランぺッターの方が、悩まず簡単に腹式呼吸を理解する方法を解説してきました。
次に大事となる、息の出し方、舌のポジショニングなどに関しては次回触れていく予定です。
今回は以上になります。
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